相手との親密度を深める心理学テクニック
☆アイブロウフラッシュ
挨拶や会話中に簡単に使える「アイブロウ・フラッシュ」は、相手に対し、
「あなたに会えて嬉しい!」
「あなたをもっと知りたい!」
「あなたの話はとても面白いですね!」
という気持ちをストレートに伝えられるボディランゲージです。
もし、あなたの欲しかったアイテムや、大好きな人が目の前に現れたとき、どんな表情を浮かべるでしょう?
::間違いなく、笑顔を伴いながら無意識に目を大きく見開いているはずです。::
::これは「嬉しい驚き」という表情です。::
その表情を意識的に利用したのが「アイブロウ・フラッシュ」です。
初対面での挨拶や会話中に、意識して両目を大きく開けば、自然と両眉毛が上に上がり、相手に「あなたにとても興味がある」と感じてもらえるのです。
この表情が相手の警戒心を解き、好印象を与えるのです。
単なる「作り笑顔」よりも、より効果的で、就職活動などでも実際に推奨されているテクニックです。
この方法なら、いつでもどこでも、誰にでも、繰り返し好印象を与えることができます。
あなたにとって「重要人物」や「この人に気に入られたい」と思ったら、是非「アイブロウ・フラッシュ」をさりげなく会話に取り入れましょう。
☆エスカレーティング
エスカレーティングとは、
「この週末にしたこと」
「好きな映画のジャンル」
…などのたわいもない会話から、
「これまでの休暇で一番楽しかった瞬間」
「憧れる映画のような恋のシチュエーション」
…など、よりディープな話題に入っていくテクニックです。
私たちは、いきなり「これまでの休暇で一番楽しかった瞬間」や「憧れる映画のような恋のシチュエーション」という深い話題を振られると、デリケートな部分に土足で踏み込まれた感じがしてガードを固めてしまいます。
とはいえ、いつまでも天気の話や好きな映画のジャンルについて話していても、会話は深まりません。
異性とのコミュニケーションがうまくいかない…と悩んでいる人等のほとんどは、この段階で会話の足踏み状態に陥っているのです。
エスカレーティングがうまくいくと、最初は敬語で話し、当たり障りのない会話しかしてくれなかった相手が、徐々に感情的な言葉を口にし、喜怒哀楽の表情が豊かに出てきます。
こうした変化を観察しつつ、会話の中で少しずつ相手のパーソナルな部分に入っていきましょう。
☆フォローアップクエスチョン
フォローアップクエスチョンとは、事前に向こうが話した内容をベースに質問を返していく手法のこと。
例えば…
相手が「最近、この小説にちょっとはまっているんですよ」と言ったら、
「小説がお好きなんですね。僕も読書が好きなんですけど、その小説はどういうところがおもしろかったんですか?」
…と広げていく。
同じことに関心があると自分の興味も伝えながら、相手により深くその話ができる状況を作り出してあげましょう。
☆互恵性(ごけいせい)
互恵性(お互いに恵まれる性質)とは、あなたと相手のどちらかが一方的に話すのではなく、バランスの取れた会話を楽しんでいる状態のこと。
親密度を高めるには、会話からお互いにメリットが得られることが大切です。
そのためには、あなたが一方的にしゃべるのでもなく、相手を質問責めにするのでもなく、フォローアップクエスチョンを交えながら会話を広げ、2人の共通点を見つけていきましょう。
☆パーソナルトーク
「2人の親密度が上がること」を考えた場合、パーソナルな話題を交わすことがとても重要です。
相手が、 家族のこと 趣味のこと 物事の考え方 過去の恋愛経験 …などを打ち明けてくれるよう導いていきましょう。 なぜなら、
「パーソナルな話題=秘密を共有する」
と、互いに相手への親近感が増すからです。 とはいえ、何もせずに相手がいきなり個人的な話をし始めることはありません。
そこで、すでに紹介したエスカレーティングと互恵性を使いながら、パーソナルな会話を引き出していきましょう。
○エスカレーティングと互恵性を使い、
パーソナルな話題に進む会話例
「最近、小説を読むのがマイブームなんですよ」
「僕も読書が趣味なんです。どんなジャンルが好きなんですか?」
「昔はサスペンスばっかり読んでいたんですけど、最近は家族もの、恋愛ものが好きです。ちょっと大人になってきたのかも」
「身近なテーマだと感情移入しちゃいますよね。僕は恋愛ものを読むと、過去の失恋とか思い出しちゃいます。◯◯さんもそんなことありません?」
☆自己開示
自己開示とは、自分についての極めてプライベートな情報を相手にありのままに伝える行為です。ここで重要なのは嘘偽りなく伝える、ということがポイントです。相手に対して特定の印象を持たせるために行うのは「自己提示」です。自己開示ではないので、同じように考えてはいけません。
::自己開示を行った場合は、自己開示をされた受け手側も同じように自己開示をしたくなる、という返報性のルールがあります。::
たとえば、こちらが趣味の話をしたとすれば、相手も同じように趣味の話をしてくれる可能性が高くなります。この効果を利用して、ある程度深い話をすることで、相手からも深い話を引き出すことができます。相手がそこまで話をしてくれたのであれば、自分も同じように話をしなければならない、という気持ちになり、関係性を深めることができるのです。
☆返報性の原理
返報性の原理とは、人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用のことです。 この心理は、人間が本来持っている義理や人情のようなものかもしれません。
返報性の原理を用いた心理テクニックは
”ドア・イン・ザ・フェイス”
と呼ばれるもので、一番最初は必ず断るであろう大きな要求をして相手に断らせます。すると断ったことに対して相手は罪悪感を持つので、そこですかさず、最初よりも小さな要求をすることで、相手に要求を受け入れさせます。つまり、相手に譲歩的な要求をする方法です。
☆一貫性の原理
返報性の原理と同様な心理法則に、「一貫性の原理」というものがあります。「一貫性の原理」とは、”一度決心した行動や発言、信念などを貫き通したい”という人間の心理をいいます。
一貫性の原理を用いた心理テクニックは
”フット・イン・ザ・ドア”
と呼ばれるもので、
”ドア・イン・ザ・フェイス”
とは逆の方法です。まず最初は、とても小さな要求から始めていき、どんどん要求を大きくしていきます。最終的に受け入れてほしい要求を相手に受け入れさせてしまいます。「この要求が呑めたから、この要求も呑まなければ」と相手に思わせて、段階的に要求をする方法です。
☆類似性の法則(ミラーリング)
ミラーリングとは、相手の言動やしぐさなどをミラー(鏡)のようにマネることにより、相手に親近感を持たせたり好感を抱かせる心理テクニックです。
「ミラーリング効果」とも呼ばれています。
ミラーリングには、”類似性の法則”というものが深く関係しています。::類似性の法則とは、人間が自分と似た人、または似たものに対して好感を抱きやすい心理のこと::をいいます。 ただ行動や言葉づかいをマネるというよりも、価値観や共通点、趣味や生活サイクルなどといった、”偶然性”の高いものが似ていることが、ミラーリングにとって重要といえるでしょう。
☆ミミッキング(おうむ返し)
インシアード大学が発表した論文で、人間の話し方と親密性を研究してます。相手の語尾を2、3語繰り返すことをしてくださいという実験をしました。日本語だと、相手の最後に言った内容を繰り返す感じです。つまり、::会話をしている時に相手にリアクションを取る時、相手が最後に言った言葉でリアクションする::ということです。
これはミミッキングと言います。このミミッキングを行った被験者は相手からの好感度が優位に上がったという実験結果が出ました。
☆ポジティブゴシッキング
ポジティブは前向きな意味です。ゴシックとは噂話です。つまり、ポジティブゴシッキングというのはポジティブは噂話をする事です。
オハイオ州立大学によると、他人の事を積極的に褒めるような噂話を流す人は好感度が上がるという事が分かったんです。逆に第三者のネガティブな噂話を流す人ほど嫌われたという報告もあります。
つまり、人の悪口の噂話を流した場合、被害を被るのは悪口を言われた人でなく、悪口の噂話を流した張本人だという事です。この人は他でも自分の悪口を言っているんだろうなと思われるわけです。悪い噂は自分を汚すだけです。褒める人は好かれます。
もし、悪口を言ったり愚痴を言ってる場面に遭遇した場合の対処法としては、悪口を言っている事をはだ否定する必要はありません。相手が悪口を言ったりするということは、なんらかの被害に合ったりして嫌な気持ちになったという事を理解してあげてる事が大事です。相手の悪口に共感するのではなく、「そう思ったんだね。それは大変だったね。」と相手の気持ちに共感してあげます。相手の苦労に共感した上で話を進めていけばOKです。否定してしまうと、否定された方は、同意されないことよりも、自分の感情を理解してくれないことに怒るわけです。
みなさんは人の噂を流す時はポジティブな噂話を流すようにしましょう。そうする事で自分自身の評価が上がります。
☆ if Then プロファイル
if Then プロファイルとは行動の一貫性の事です。「もしこういう環境になったら、こういう行動を取る」といった一貫した行動の事です。
行動に一貫性のある人は信頼性が高まります。この人に頼めば必ずこういった事をしてくれるだろうなとか、この人はこれが好きだからこれをしたら喜んでくれるだろうなとかがはっきりしていれば、相手が安心なんです。信頼が生まれるわけです。この人はこういう人だという事が予測しやすい人は信頼感が増します。
環境が異常な状態で無ければ、自分を裏切るような行動は取らないという事が分かっていれば、信頼感が生まれるというわけです。